離乳食と味覚形成

物を食べたときに感じる「美味しさ」は、人間の五感(味覚・視覚・聴覚・臭覚・触覚)で味わうとされています。その中でいま最も注目を集めている「味覚」、これは離乳食期に基礎が作られるといっても過言ではありません。私たちが普段「美味しい」と思う感覚は、赤ちゃんの頃から養われていた感覚。素材そのものの味や匂い、食感などを味わうことで、食材本来の「美味しさ」を伝えていきましょう。

味覚形成とは

「甘(あまい)」「酸(すっぱい)」「苦(にがい)」「塩(塩辛い)」という4つに「旨(うまみ)」が加わった5つの味を舌で感知し、それを脳へ伝達することを「味覚」といいます。子供の味覚は、体の成長と同じく乳幼児期に著しいスピードで形成されていきます。それもそのはず、生後から乳児期は味をつかさどる「味蕾(みらい)」の数が最も多く、味覚が鋭敏な時期なのです。つまり、離乳食期は食事への意識とともに、味覚が形成され始める大切な時期。離乳食では薄味を基本として、素材そのものの味を大切にしていきましょう。


「好き」な味と「嫌い」な味

赤ちゃんには、本能的に「好き」な味と「嫌い」な味が備わっています。まず甘味、辛(塩)味、旨味という3つの味に関しては、体に必要不可欠な栄養であるうえ母乳やミルクに含まれる栄養成分であることから本能的に「好き」な味とされます。逆に苦味(毒を意味する)と酸味(腐敗を意味する)に関しては、本能的に「嫌い」な味と位置づけられます。しかし、離乳食期から色々な味を体験することで、このように「嫌い」な味も「好き」な味へと変化します。食べないから与えないのではなく、食べられるように工夫する・・・これも親の優しさですよね♪

サンマを使って味覚形成

秋の風物詩ともいえる「サンマ」を使って、5つの味を体験してみませんか? 「塩」を振って焼いたサンマに、酢橘などで「酸味」をプラス。あとは「甘味」のあるご飯と一緒に「苦味」のある内臓と「旨味」のある身を楽しむだけ。サンマ一匹で、立派な「味覚ご膳」の誕生です。離乳食期には丸ごと1匹というわけにはいきませんが、サンマの身を使ったレシピにもチャレンジしてみましょう。

サンマの甘酢あんかけ【離乳食後期向き】

  • 1. サンマの切り身(15g)をサッと水洗いし、茹でてほぐす。
  • 2. ネギ(5g)は細かいみじん切りにする。
  • 3. 鍋に中華スープ(野菜スープでも可)を煮立て、1と2を入れる。
  • 4. 3にりんご果汁とトマトピューレを加え、ひと煮立ちさせる。
  • 5. 水溶き片栗粉でとろみをつけたら「サンマの甘酢あんかけ」の出来上がり♪

 

ベビーフードと味覚形成

ベビーフードを使うと偏食になるのでは・・・と心配するママも多いよう。確かに、毎食ベビーフードというのはオススメしませんが、上手に活用することで色々なメニューに挑戦することが出来ます。離乳食期は味覚が形成されるとともに、一生の嗜好を決める大切な時期。手作りの離乳食をメインに、ベビーフードを取り入れながらメニューの幅を増やしていきましょう。離乳食期は食べる量だけでなく、色々な味を体験させるのも大切ですよ♪

コラム:離乳食が与える影響

濃い味付けのものや「果汁」と呼ばれるジュース、加工食品などを離乳食期に与え過ぎると、成人病(高血圧や肥満など)やアレルギーの原因となるそうです。また、「自分たちも食べないから・・・」といって朝ごはんを抜くと、脳のエネルギー源でもあるブドウ糖が行渡らず集中力や記憶力が低下するともいわれています。みなさんは、離乳食期にどんな食事を与えていますか? 親である私たちも「薄味」や「朝ごはん」といった食事の基礎を見直し、「現代病」という魔の手から子供たちを守りましょう。未来ある子供たちの健康を支えるのも、親として大切な役割です。


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